

私たちが目指す姿
過不足のない「ちょうどいい」ワインを造ること
すべてはブドウから始まります。
私たちは、その年ごとの状況に合わせて大きくつくりを変えています。
ヴィンテージはそれぞれ異なるため、同じつくり方を二度することはありません。セラーでの介入は最小限にとどめます。
ワインを導くのであって、無理に形づくることはしません。
テロワールそのものに語らせる、それが私たちの考えです。
幸いなことに、私たちが手がけるのは主にグラン・クリュの畑です。
これらの畑は、本来的にフィネス、精緻さ、ミネラル感をもたらしてくれます。
こうしたチョーク質のテロワールからは、まっすぐで、塩味を帯びた、表情豊かなワインが生まれます。
あとは、その個性を損なわないことが私たちの役目です。
キュヴェによって、強調する要素を変えています。
あるときはより骨格を、あるときはより緊張感を、あるときはより深みを。
それでも最終的に目指すものは、常に同じです。
エレガントで、ミネラル感に富み、表情豊かなシャンパーニュ。
自らが生まれたチョークとテロワールを映し出すワイン。
精緻でバランスがよく、飲みやすく、そして時を経るほどにいっそう深い意味を帯びていくワインです。
−−−−−−−−−01.
Françoise
ヴォワラン・ジュメルの始まり
女性たちの手で紡がれてきた、ひとつのメゾンの原点
シャンパーニュ地方、クラマン。
この土地に根を下ろすヴォワラン・ジュメルの物語は、ひとりの女性から始まりました。
ぶどう畑のはじまりは、祖母フランソワーズの母方の家系にさかのぼります。クラマンのジュメル家に生まれたフランソワーズは、シュイィのヴォワラン家のジルと結ばれ、1967年、二つの家の名を冠したブランド「ヴォワラン・ジュメル」を立ち上げました。
その系譜の中心にあったのは、いつも「女性の意志」でした。
畑を守り、土地に寄り添い、次の世代へとつないでいく静かな強さ。
ヴォワラン・ジュメルは、単なるワインメゾンではなく、
代々の女性たちの手によって紡がれてきた“継承の物語”そのものです。
この土地に根づく哲学は今も変わりません。
自然に導かれ、テロワールの声に耳を澄ましながら、
自由で、しかし誠実にシャンパーニュを生み出すこと。


−−−−−−−−−02.
Patrick
伝統に軸が加わる
“技術”と“意思”が重なり、メゾンの骨格が形づくられた時代
時代が移り、メゾンは父パトリックの手へと受け継がれます。
彼はこの家の伝統を守るだけでなく、
限られた区画ごとの個性を見極め、丁寧にボトルへ閉じ込めるという
確かな哲学を築いていきました。
テロワールの違いを尊重し、それぞれの土地が語るものをそのまま伝える。
シャンパーニュを「均質な完成品」としてではなく、
「土地の声を映す存在」として捉える姿勢です。
この時代に培われたのは、単なる技術ではありません。
家族が同じ価値観を共有し、同じ方向を見て進むための、
見えない“軸”でした。
そしてその軸は、作業のひとつひとつ、
収穫の歓びや日常の風景のなかに、静かに根づいていきます。
現在のセラーを設計したのも、パトリックです。
−−−−−−−−−03.
Pauline & Julie
娘二人に受け継がれた今
感性と役割が響き合い、新たなヴォワラン・ジュメル へ
そして今、メゾンは新たな世代へと引き継がれました。
姉のジュリーと妹のポリーヌ。姉妹による新しい章の始まりです。
2022年に二人がメゾンに加わり、2024年にはラベルも一新しました。
この継承は、ただ過去を守るものではありません。
異なる視点と志をもつ二人が、それぞれの役割で未来を描くための“更新”です。
ジュリーは、そのシャンパーニュが届く先、人と体験、物語の広がりを担う。
ポリーヌは畑と醸造に向き合い、
ワインそのものと深く対話する。
対照的でありながら、根底にある価値観は同じ。
互いを言葉にせずとも理解できる関係が、
ひとつのメゾンとしての調和を生んでいます。
幼いころから彼女たちにとってシャンパーニュは、
特別なものではなく、いつもすぐそばにある存在でした。
アッサンブラージュの時期に学校から急いで戻った記憶。
収穫の朝、ぬくもりの中で人々が集う光景。
そうした日常の断片こそが、
彼女たちのシャンパーニュの輪郭を形づくっています。
彼女たちは、“情熱を注ぎ、分かち合うヴィニュロン”として、
飾らない透明さと温かさを大切にしています。

